人事担当のゆいきちです。
今回取り上げるテーマは企業の採用ページについてです。
私自身、様々な企業の採用ページを見るのが好きで、学生のころから気になる企業があるとその企業の採用ページを見ています。
どの企業も工夫を凝らしていて企業それぞれの採用活動へのスタンスが表れています。
しかしながら、この採用ページというのが実は要注意ポイントのひとつです。
そこで、今回は以下の2テーマについてお届けします。
1、これが企業側の狙い。企業の採用ページの裏側
企業の採用ページはいずれを見ても本当に工夫を凝らしていて見ていて楽しいです。
この工夫を凝らすというのがとても大事で、ホームページは企業のカラーを示すという話もある程、その企業らしさを出していくことが企業の一番の狙いです。
しかし、実はそんな採用ページの多くは企業が自社で作っているわけではないのです。
実は採用活動用のWebページ作成を代行するプロのコンサルタントが裏側にいます。(RさんやMさんなどの人材メディア会社の方が代行くださることもあります。)
私も現役の採用担当であった時はプロに依頼をして採用ページを代行作成してもらっていました。
※もちろん自社で採用ページを作成されている企業もあります。
このプロというのは採用活動用のWebページを専門にしているだけあり、昨今の学生に対して印象がよくなるような工夫を様々凝らしているのです。
実際に、私は採用ページを作成するにあたり数多くの打ち合わせをしてきましたが、その中で何度も説明を受けた「採用ページ最大の狙い」は、
『無意識にこの会社に入りたいと思わせる構成にする』
ことです。
確かに採用ページの目的はこの会社に入らせたいと思わせることですが、そう思わせるとはどういうことなのでしょうか。
実際のやり取りを以下に載せておきます。(以下、私:A コンサルタント:C)
A「採用ページで多くの学生を集めたいと考えています。」C「採用ページで学生を集めるには、検索等での流入を増やす必要があります。
toC向け商材のブランドがある企業であれば容易ですが、そうでなければ
採用ページを見てもらうまでの誘導は採用担当が注力すべき部分です。」
A「それでは採用ページの目的とはなんでしょうか?」
C「当社では、学生が無意識のうちに御社に入りたいと思うことを目的としています。」
A「具体的になどういうことでしょうか?」
C「インターネットで買い物をしますよね。
インターネットでの買い物で、気づいたら買ってしまっていたという経験はありませんか?」
A「よくあります。。。ついつい買っちゃうんですよね。」
C「実はついつい買ってしまうのはサイトがそのように誘導するような構成になっているからです。
どんなところで誘導しているかは採用ページ作成代行の肝なのでお伝えしておりませんが、
同様に御社に入りたいと思わせるような構成にして作成いたします。」
と、いうことなんです。
これは私が経験したごく一部の話なのかもしれませんが、企業側の狙いとしてはどの企業も一緒であると思います。
ちなみにそのコンサルタントさんから聞けた話としては
- ・先輩社員の笑顔の写真と1日のスケジュールを掲載することで、楽しさとホワイト企業間を出す
- ・エントリー申し込みボタンを画面上とスクロールした後の画面中に設置する
- ・福利厚生面がなるべくわかりやすい位置に配置する(一番見られる項目だとか?)
- ・採用情報は別ページにして、細かく詳しく載せることで包み隠さず誠実さを出すことができる
上記の内容が肝となる一部とのことです。
保存版!優秀な人材を集める採用サイトのデザイン・コンテンツとは?
※一部のテクニックが掲載されています。
では、そんな採用ページを見る際に気を付けるべきことはなんでしょうか?
次のテーマで取り上げたいと思います。
2、ここに気をつけろ!採用ページを見るポイント
端的に言えば採用ページは先ほど説明したように入りたいと思わせることが狙いですので、その企業良いところしか記載されてありません。
故に、何も考えずにホームページを眺めていると「なんだか良さ気だな」と感じてしまいます。
そこで、以下5つのポイントを気をつけて見て欲しいと思います。
1、良いことばかりが書いてあるということを意識して見る
まずは、良いことばかりが書いてあるということを意識しないと「なんだか良さ気だな」につながってしまうので、「盛ってある」とか「このページを見て思った良さの80%くらい」など思うようにすると冷静な判断ができるかもしれません。
実際、平均給与のデータは上手に高く見せられていることなど聞いたことがあるかと思います。
学生を惑わす「年収」という数字マジック 給料外のうまみにも目を向けろ
2、その企業の悪いところは載っていない
つまり、学生の皆さんが知りたいようなその企業の負の面である悪いところについては触れらていないのです。
どんな企業にも良いところばかりではなく、悪い面もあります。
悪い面をホームページに載せることはほぼあり得ないので、気になる場合は企業説明会などに足を運んでその企業の雰囲気から把握したり、OB・OG訪問で先輩社員に聞くのが良いと思います。
3、断片的な情報になっている
すべてを網羅することはWebページであるという性質上できないということは皆さんも理解されていると思いますが、
あらためてポイントとして挙げます。
例えば、「先輩社員の1日」というのをよくみるかと思います。
あれも、「ある社員」の「ある1日」であって、当然これが全てというわけではありません。
採用ページに載っている社員は残業がなかっただけかもしれません。(そもそも少なめに記載しているかもしれません。)
この情報がすべてと鵜呑みにすることなく、こんな日もきっとあるのだろうと思いながら見ていただくと良いと思います。
Vorkersという企業の口コミサービスの情報を参考にするといいかもしれません。
4、エントリーボタンを容易に押さない
どうしても「なんだか良さ気」になると、ところどころに配置してあるエントリーボタンを押したくなります。
本当にこの会社に興味がある場合なら押しても良いですが、その時の気分だけで押すのはオススメしないです。
不必要にエントリー数を増やしていくと学生側にとっては管理する情報が増えるだけです。
また、志望理由等を考える時間が不十分になることが多いです。
5、「なんだか良さ気」と思ったら翌日にもう一度Webページを見る
1日たてば冷静さも出てくるものです。
本当に良かったのか?何が良かったのか?という点を冷静に見て、自分自身の特徴とその企業の大事にしているところや求める人物像に合致しているかあらためて見てください。
企業の採用ページについてのまとめ
ということで、今回は採用ページの裏側と気をつける点をお伝えしました。
いずれにしても採用ページは学生に”魅せる”ツールです。
それだけで判断はすべきではありません。
実際に、受ける企業の方に会ったり、先輩社会人の話を聞いて自分の就職先を決めていきましょう!