今回は多くの就活生に人気がある金融業界について、私の実体験を踏まえてご紹介します。
「金融業界を目指しているけれど企業選びに悩んでいる」「他業界がメインだが、金融業界も受けるつもりだ」といった方々はぜひ参考にして見てください。
金融業界を受けるメリット
体験談の前に、そもそも金融業界を受けるメリットはなんでしょうか。
金融業界が人気である要因のひとつには、選考を受けることで多くのメリットが享受できることが挙げられます。
もちろん、初めから金融業界に絞っている人はメリットに固執する必要はありませんが、初めから金融業界一本に絞っている人は極少数だと思います。
そんな人のために、まずは私が感じた金融業界を受けることで享受できるメリットを3つご紹介していきます。
ES提出の時間が省ける
金融業界を受ける第一のメリットとして、時間の節約ができることが挙げられます。
どの業界を受ける際にも提出が必須であるエントリーシートですが、金融業界の場合はエントリーシートの作成に手間がかかりません。
というのも、金融業界の多くの企業は、エントリーシートの提出がネット上で完結するからです。
他業界だと、手書きのエントリーシートを郵送で提出させる企業が多数あり、一社を受けるのに多くの手間や時間を費やします。
そのため、金融業界を受けると、ES作成の時間が節約できるという点で非常に優位に働くでしょう。
また、金融業界のエントリーシートの質問項目は企業間でさほど差がありません。
聞かれる項目は主に以下の3つです。
- ・ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)
- ・銀行、証券、保険を志望する理由
- ・自身の強み
金融業界ではこの3つを聞かれることが多いです。
逆に言えば、この3つの質問に対する回答をまとめてしまえば、あとはある程度の使い回しができます。
他業界のように企業ごとに個別の志望動機を考える必要がない点でES作成の時間が省けるでしょう。
面接の練習になる
2つ目のメリットとしては、面接練習になることが挙げられます。
他業界と比べて金融業界は採用人数が多いため、面接に進むことができる確率が高いです。
対して、例えば食品業界などでは、ESの段階で半数以上が落とされます。
ESを出せばほぼ確実に面接に進むことができる金融業界は、面接の実践練習には最適でしょう。
他業界をメインに見ている人でも、面接の練習がてら金融業界の選考を受ける人は意外と多いです。
本命企業の面接をいきなり受けることは非常にリスクが高いです。
本命企業を受ける前に必ず面接受けて、面接に慣れる必要があります。
そこで「面接の実践練習をしたい」と考えている人には、金融業界を受けることは非常に大きなメリットだと言えるでしょう。
「人柄」で勝負ができる
金融業界の主な業務の1つに「営業」があります。
営業は、ヒトと密接に関わる仕事ですので当然人柄やコミュニケーション能力が大切になってきます。
もちろん、ヒトと関わることのない仕事などこの世に存在しませんが、金融業界は特に人柄やコミュニケーション能力が重要視されています。
逆を返せば、いわゆる人間力に自信がある人にとっては選考が通りやすい業界であると言えるでしょう。
金融業界の就職活動
ここからは本題である私の就職体験談と助言についてご紹介していきたいと思います。
金融業界を志望した理由
私は金融業界1本に絞って就活をしていました。
金融業界に絞った理由は2つありました。
1つ目は、経済学部で金融を学んでいたこと。
2つ目は奨学金の関係からお金に関して関心を持っていたことです。
ただ、1つ目の理由である経済学部に所属していたことは、選考になんら関係はありませんでした。
なので、「経済学部ではないけれど金融業界に興味がある」という人も安心して金融業界の選考を受けてもらいたいと思います。
金融業界の中でも、銀行・証券に絞った
また金融業界の中でも、私は銀行、証券の2つに絞って選考を受けていました。
前述したように私は奨学金の関係から金融に興味を持っていました。
奨学金は融資に似ている部分が合ったため、融資ができる銀行に絞りました。証券に関しては資産運用の経験があったことから受けました。
こういった選考の受け方をしていると、面接で「なんで保険は受けていないの?」と聞かれることが多々ありました。
私の場合は正直に「保険業界に興味を持つきっかけがなかったからです」と言っていましたが、私のように金融業界の中でも特定の業界だけを受ける方は、前述のような質問に対する対策を練る必要があると思います。
金融業界はエントリーの母数を増やした方が良い
私の場合、エントリー数はおよそ17社でした。
そのうち選考に進めた企業は14社だったと思います。
17社と聞いて、「多いな」と思う人もいるかもしれませんが、これは平均的なエントリー数だと思います。
むしろ少ない方かもしれません。
金融業界の場合、ほとんどのESがネット提出に対応しているので比較的容易にエントリーできます。
ですので、エントリー数はすぐ17社に到達するでしょう。
また前述した通り、金融業界はエントリー時点で落とされることが稀です。
ですので、14社通ったと言っても、決して私が優秀だったからというわけではありません。
エントリー時点で落とされることはあまりないので、気軽に受けて選考企業の母数を増やすことをオススメします。
鬼門は二次選考以降の面接だった
上記通りエントリーシートで落ちることが少ない金融業界ですが、鬼門となるのは二次選考以降の面接です。
面接ではエントリーシートの内容について深掘りされます。
深掘りされた際に、人間力について答えることは控えましょう。
金融業界の説明会に参加すると、どの社員の方も口を揃えて「金融業界に就職を決めたのは人間力で勝負できる世界だったから」と仰ります。
それならばと、面接で単に「人間力で勝負できるから志望しました」もしくは「私の強みはコミュニケーション能力です」と言っても絶対に受かりません。
なぜなら、人間力は測ることが難しいのに加え、どの学生も同じことを言うからです。
私も当初の面接では人間力を前面に推してアピールしましたが、案の定落ちました。
どうしても人間力を推したいのであれば、他の人が持っていない独自のエピソードを組み合わせる必要があるでしょう。
業界選びは「自分の直感」に頼って良い
私は結果的に金融機関から内定をもらうことができましたが、金融業界1本に絞ったことを今も後悔していません。
むしろ良い選択だったと思っています。
学校のキャリアセンターのスタッフや教授は「様々な業界を見て決めろ」と口を尖らせますが、はっきり言って意味がないと思います。
業界の裾野を広げれば、その分だけ時間や手間がかかりますし、それぞれの業界研究の内容も薄くなります。
そもそも社会経験のない私たちが自分に合った仕事を見極めること自体無理な話です。
受ける業界については「自分の直感」を信じて決めれば良いと思います。
学生時代に部活動を決める時、「自分の直感」で入部を決めた人がほとんどだったと思います。
その感覚で大丈夫です、直感はバカになりません。
【39点以下は危険度MAX】本番前に、面接偏差値を診断しておこう
今年はweb面接を行う企業も増えていますが、自分の弱点を把握し適切に対策しなければ、どんな形式であれ面接を突破することはできません。
そこで活用したいのが、面接偏差値診断ツールの「面接力診断」です。
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ぜひ活用して自分の弱点を効率的に対策し、志望企業の面接を突破しましょう。
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就活を終えて後悔していること
ここからは就活を終えて、「もっとこうしておけばよかった」と思うことを3つご紹介したいと思います。
これから選考を受ける方々はぜひ参考にしてみてください。
もっとインターンに参加しておけばよかった
インターンにもっと参加しておくべきだったと今となっては後悔しています。
私は企業説明会には多く参加しましたが、インターンに参加した企業はわずか1社でした。
就活を終えて、「もう少しインターンに参加しておくべきだったかな」と思うことが時折あります。
というのも、インターンは本選考で優位に働くことがあるからです。
「金融業界はスタンプラリー」と言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
これはインターンや説明会に参加することで、内定がもらいやすくなることを揶揄した言葉です。
事実、インターンや説明会への参加率を見ているような企業もあります。
特にインターン参加者は早期選考が行われることも珍しくはありません。
こうしたことから、もう2、3社くらいはインターンに参加しておくべきだったかなと感じることもあります。
ですので、これから就活を始める方は是非多くのインターンに参加するようにしてください。
インターンは選考で優位に働くことがなくとも、必ず自分の経験値に繋がります。
入社後に後悔しないためにはインターンを通じた企業研究が必須でしょう。
志望理由と自己PRに一貫性を持たせるべきだった
志望理由と自己PRは一貫性のある内容にしておけばよかったと感じています。
就活終盤にこそ、一貫性を持たせて面接に挑むことができましたが、当初は志望理由と自己PRを完全に区別して話していました。
志望理由と自己PRに一貫性があると面接官のウケが明らかに良くなります。
これは他サイトにはあまり書かれていないことではないかと思います。
多くの就活生は志望理由と自己PRを別々のものとして考えがちですが、本来は「志望理由=自己PR」の方程式になっていないといけません。
どういうことかというと、「志望理由は〇〇です。そのために私の〇〇(自己PR)が必ずや役立ちます。」もしくは「私の長所は〇〇です。その具体的なエピソードには〇〇があります。こういった経験があったからこそ、現在は〇〇という理由で御社を志望しています」という形で話すということです。
事実、私の場合ですと一貫性を持たせて話すようになってから選考通過率が30%ほど上がったと思います。
ですから、志望理由と自己PRに一貫性を持たせることが大切だと思います。
SPIの勉強を早めにしておけばよかった
SPIの勉強を3年生の時間があるうちから初めておけばよかったと後悔しています。
私は就職活動が解禁となる3月からSPIの勉強を始めました。
その時に感じたことが、「ハードすぎて、これは無理だわ」でした。
3月1日になると、企業説明会などでスケジュールが一気に埋まります。
毎日2〜3社の説明会に参加することになり、日中SPIの勉強をする時間はほぼ無くなります。
日中説明会が終わって、家に帰ってきてからようやくSPIの勉強を始めるのですが、疲れていてなかなか集中できないのです。
こうならないためにも、これから就活を控えている人には早めにSPI対策を始めることをオススメします。
できれば3年生の夏から始めるといいでしょう。また、参考書は早めに買っておいて損はありません。
私のオススメの参考書は「これが本当のSPIだ!」です。問題数が少ないところが少々の難点ですが、解法の分かりやすさについてこの本を超えるものはないでしょう。
本屋にも平積みされていますし、Amazonでも販売されていて入手しやすいので、是非参考にしてみてください。
金融業界での就活のまとめ
今回は金融業界の就活体験談についてご紹介してきました。いかがだったでしょうか。
「銀行はなくなるかもしれない」「メガバンクが人員削減している」と世間で叫ばれながらも、未だ多くの文系学生に人気を博している金融業界。
将来のことは誰にもわかりません。
今は金融業界は危険と叫ばれていますが、来年はどうなっているかは来年になってみないとわからないのです。
ですから、金融業界を敬遠するのではなく、面接の練習台にとウケてみることをオススメします。
就活で金融業界を受けると、マクロ的な視点で経済やニュースを見る癖がつくので、他業界での選考も有利になるかもしれません。
人生一度きりの新卒の就活、悔いがないよう1日1日を大切にして頑張ってください。